親御さんが急に入院して、「まとまったお金を今すぐ用意しなければ」と感じているかもしれません。動転していて当然です。ここでは、その支払いの不安を少し和らげるための「限度額適用認定証」について、ひとつずつご案内します。急ぐ必要はありません。
先に結論をお伝えします。限度額適用認定証(=窓口での支払いを自己負担の上限までにできる証)を使うと、病院の窓口で支払う金額そのものを一定額までにおさえられる場合があります。さらに、親御さんがマイナ保険証を使える場合は、この認定証がなくても、限度額を超える分の支払いが原則不要になることが多くなっています。
限度額適用認定証とは
医療費が高くなったとき、あとから払い戻される「高額療養費制度」という仕組みがあります。ただし、これは「いったん窓口で多く支払ってから、あとで戻ってくる」流れが基本です。入院直後にまとまった額を立て替えるのは、負担が大きいことがあります。
そこで、あらかじめ限度額適用認定証を用意して病院に提示しておくと、窓口での支払い自体を1か月(暦月)あたりの上限額までにおさえられる場合があります。「あとで戻る」ではなく「最初から上限まで」にできる、という違いです。上限額は年齢や所得によって決まっており、改定されることもあるため、金額は下記の公式ページでご確認ください。
マイナ保険証を使える場合は、認定証がなくても対応できることが多い
親御さんがマイナンバーカードを健康保険証として使える(マイナ保険証)場合は、限度額適用認定証を別に用意しなくても、窓口で限度額を超える分の支払いが原則不要になることが多くなっています。病院の受付でマイナ保険証を読み取ってもらう際に、限度額の情報を提供することへの同意を求められることがあります。
つまり、マイナ保険証が使える環境であれば、「認定証の申請」という手間そのものが要らなくなる場合があります。まずは親御さんがマイナ保険証を使えるか、病院の窓口で確認してみてください。
マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット(厚生労働省)従来の保険証の場合の申請方法
マイナ保険証を使わない場合や、念のため認定証を用意しておきたい場合は、親御さんが加入している健康保険に申請します。申請先は、加入している保険の種類によって変わります。
- 会社の健康保険組合に入っている場合 … その健康保険組合
- 協会けんぽ(全国健康保険協会)の場合 … 協会けんぽの都道府県支部
- 国民健康保険の場合 … お住まいの市区町村の窓口
- 75歳以上(後期高齢者医療制度)の場合 … 後期高齢者医療広域連合(市区町村の窓口で受付)
どこに申請すればいいか分からないときは、まず親御さんの保険証(マイナ保険証を含む)の記載を見て、加入先を確かめるところから始めると迷いません。加入先が分かれば、そこへの一本の電話で「認定証がほしい」と伝えるだけで手続きの案内が受けられます。
申請のときには、保険証や本人確認書類などを求められることがあります。必要なものは加入先によって異なる場合があるため、電話や案内ページで確認してから動くと、二度手間になりません。
高額療養費制度を利用される皆さまへ(申請先・加入先の区分/厚生労働省)よくある不安への、静かなお答え
入院してから申請しても間に合いますか
入院前でも入院後でも申請できる場合があります。認定証が間に合わず、窓口でいったん多く支払ったときでも、あとから高額療養費制度で払い戻される場合があります。「タイミングを逃した=損」ではありませんので、落ち着いて進めて大丈夫です。
本人が動けなくても、家族が申請できますか
ご家族が代わりに問い合わせ・申請できる場合が多くあります。委任状や本人確認書類が必要なことがあるため、加入先にどんな書類が要るかを先に確認しておくと安心です。ご自身・ご家族の手で、窓口を通じて進められます。
全体像も、あわてず確かめておきましょう
限度額適用認定証は、入院直後のお金の不安を和らげる大切な一歩ですが、そのほかにも高額療養費・付加給付・仕事の休みなど、少しずつ確かめておくと安心なことがあります。すべてを今日やる必要はありません。時間軸ごとに整理した「急なそなえチェックリスト」で、全体像をゆっくり確認してみてください。