まだ「介護」という実感はないかもしれません。それでも、退院後に手すりや介護のサービスを使う可能性があるなら、早めに知っておきたいのが「要介護認定」です。動転しているなかで先のことを考えるのは大変ですが、ひとつずつで大丈夫です。
先に大切なことを二つ。要介護認定(=介護保険のサービスを使うために必要な、状態の判定)は入院中でも申請できます。そして、認定には日数がかかる(申請から認定まで原則30日程度が目安)ため、退院後にサービスを使うなら、退院前から動いておくと落ち着いて準備できます。
要介護認定とは
介護保険のサービス(訪問介護、福祉用具のレンタル、手すりの取り付けなどの住宅改修など)を使うには、まず「どのくらいの支援・介護が必要か」を判定してもらう必要があります。その判定が要介護認定です。認定を受けると、状態に応じた区分が決まり、介護保険のサービスを使えるようになります。
申請から認定までの流れ
おおまかには、次のような流れで進みます。ひとつずつ見ていけば、複雑ではありません。
- ① 申請 … お住まいの市区町村の窓口(介護保険の担当課)に申請します。地域包括支援センターでも相談できます。
- ② 認定調査・主治医意見書 … 市区町村の調査員が本人を訪ねて心身の状態を聞き取り、かかりつけの医師が意見書を作成します。
- ③ 審査・判定 … 調査結果と意見書をもとに、コンピュータによる一次判定と、専門家による審査会での二次判定が行われます。
- ④ 認定・通知 … 市区町村が要介護度を決め、結果が通知されます(申請から通知まで原則30日程度が目安)。
- ⑤ ケアプラン作成・利用開始 … ケアマネジャー(介護支援専門員)と相談しながら、利用するサービスを決めていきます。
入院中でも申請できます
「退院してから申請するもの」と思われがちですが、要介護認定は入院中でも申請できます。認定には日数がかかるため、入院中に申請を済ませておくと、退院後すぐにサービスを使い始めやすくなります。
入院中は、認定調査を病院で受けられる運用がある場合もあります。まずは市区町村の窓口や、病院の相談窓口(医療ソーシャルワーカーなど)に「入院中だが要介護認定を申請したい」と伝えてみてください。進め方を一緒に整理してもらえます。
申請のときに必要になるもの(目安)
必要なものは市区町村によって異なる場合がありますが、一般的には次のようなものを求められることがあります。事前に窓口へ確認しておくと、二度手間になりません。
- 介護保険の被保険者証
- マイナ保険証または健康保険証(40〜64歳で申請する場合など)
- 本人確認書類
- かかりつけ医(主治医)の情報
- 申請書(窓口や市区町村のサイトで用意されています)
本人が動けない場合でも、ご家族が代わりに申請できることが多くあります。ご自身・ご家族の手で、市区町村の窓口を通じて進められます。
迷ったら、地域包括支援センターへ
「何から相談していいか分からない」というときは、地域包括支援センターに電話してみてください。市区町村ごとにある高齢者のための総合相談窓口で、相談は無料です。要介護認定のことも、退院後の暮らしのことも、まず話を聞いてもらうところから始められます。一人で抱え込まなくて大丈夫です。
全体像は、時間軸で整理できます
要介護認定の申請は、退院後の暮らしを整えるための一歩です。ほかにも、退院前カンファレンスや住まいの準備(手すり・福祉用具)など、少しずつ確かめておくと安心なことがあります。すべてを今日やる必要はありません。「急なそなえチェックリスト」で、今日・今週・今月・退院に向けての流れを、順番に見ていけます。